シリコンバレー、社会科見学シリーズ第一弾 Namco Networks America Inc

シリコンバレー、社会科見学シリーズ第一弾 Namco Networks America, Inc.




社員食堂シリーズに続く新企画、シリコンバレー社会科見学シリーズです。どこが違うかというと、社員食堂が無い会社にもお邪魔できるようになったところです。
第一回の今日は、サンノゼのナムコネットワークス・アメリカさんにお邪魔しま した。ご多忙中、見学をご快諾いただいた上に、みずから社内の案内までしてい ただきました久恒社長、ありがとうございました。


ナムコネットワークス・アメリカでは、携帯電話向けのゲームの移植、開発をメインに行っています。パックマンを代表とするナムコのゲームは携帯電話のアプリケーションとしてもベストセラーの一つで、ほとんどの携帯電話でダウンロードしてプレイすることができます。ナムコネットワークスのゲームは全ての携帯 電話の実機で徹底したデバッグが行われており、その品質管理のレベルの高さが各キャリアから認められ、数少ないコンテンツプロバイダに与えられるSelf Certificationを受けています。この徹底した品質管理を支えているのは、日夜ゲームをするのが仕事というゲーマーにとっては夢のような仕事に携わっている、デバッガーの皆さんです。






ナムコでデバッガーとして働いている人はほとんどが派遣でスタートしてそのまま採用された社員だそうです。ナムコネットワークスでは、社員を大切にし、快適な職場環境と福利厚生に力を入れているため、毎年 Best Place to Work Awardにノミネートされ 2007年には表彰されています。 ゲーム業界では、デバッガーは必要なときだけパートや派遣で賄うケースが多い中、ナムコネットワークスではどんどん社員として採用することで、デバッグ担当者たちのモチベーションをあげ、高い品質の維持を実現しているわけです。
デバッグ担当社員の中には、ゲームが好きでこの仕事を3年以上も続けているという熟練デバッガも多く、携帯片手にインタビューを受けながらパックマンをノーミスでどんどんクリアしてみせてくれました。また、デバッガ出身で開発セクションに移動し、社内教育を受け、現在では同社の5本の指に入るプログラマに成長した社員の方もいらっしゃるそうです。




デバッグルームを見学させて貰う前に想像していたのは大学の寮のような雑然とした空間で、高カフェインのドリンクを山積みにしてソファに寝転がってゲームをやり続けているオタク集団だったのですが、実際に見学させて頂くと、整然と並んだデスクで50人近いデバッガの皆さんが片手に携帯、片手にPCで黙々とゲームプレイし結果をPCに記録するという作業を繰り返しており、みなさんが楽しそうだという点(ここ大事!)を除けば、ゲームの開発というより、他の業種の品 質管理セクションに近い印象でした。


ナムコネットワークスでは毎月のように発表される携帯電話の新機種に対応するための移植作業だけではなく、新規ゲームの開発にも力を入れており、最近ではアメリカで産まれたナムコのゲームが日本へ逆輸入されるケースもあるそうです。新規ゲームの開発には、キャラクターデザインをするデザイナからプログラマまで優秀な人材を確保するのが大変だとおっしゃっていましたが、快適な職場環境のおかげで社員の定着率は高いようです。




オフィスの一角に、掲示板がありゲームのデザイナやCG担当者が作った「落書き」が沢山張り出されていました。こうした商品と直接関係の無い落書きや、仕事中に真剣に他社ゲームをプレイすることなどもインスピレーションを生み出す手段として奨励されているそうです。仕事中にゲームに熱中していて誉められる会社なんて他には見つからないでしょう。


1980年に日本で生まれ、今年で28歳となるパックマンは今でもテトリスと並んで最もダウンロードされる携帯ゲーソフトとして世界中で愛され、そのキャラクターグッズも公式のものからバッタ物まで数多く販売されています。ナムコネットワークスの久恒社長はパックマングッズのコレクタでもあり、オフィスにはそのコレクションの一部がガラスケース内に保管されていました。社長のコレクションの中には、パックマンのシリアル、カップ麺などの食品から、キャラクターグッズ、ぬいぐるみ、電話機(パックマンが口をあけると受話器になる)などの珍しいアイテムが沢山ありました。


取材をして、ゲームのような「楽しさ」が売り物の商品を作るには、まず作り手も楽しまなければいけないこと、しかしユーザやクライアントが安心して楽しめるためには徹底した品質管理も必要なことを学びました。そして、社員のみんなに楽しく仕事をして欲しいという久恒社長のお人柄が170人を超える社員をまとめ、28年たったいまでもパックマンでワクワクさせてくれるゲーム作りを支えているのだと勉強になりました。

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