2025年4月29日、カリフォルニア州議会下院は、猫の抜爪手術(デクロー)を禁止する法案「AB 867」を全会一致(72対0)で可決した。この法案は、ミルピタス選出のアレックス・リー下院議員(民主党)が提出し、サンフランシスコ選出のスコット・ウィーナー上院議員(民主党)が共同提案者となっている。
法案では、猫の健康上の理由で獣医師が必要と判断した場合を除き、抜爪手術を禁止している。リー議員は、「猫の抜爪手術は、猫の指を第一関節から切断する残酷な手術であり、生涯にわたる苦痛と障害を引き起こす。この法案は、動物の倫理的な扱いを強化する常識的な措置である」と述べている。
抜爪手術は、猫の爪を取り除くために指の骨を切断する外科手術であり、出血、感染、慢性的な痛み、行動の変化(攻撃性の増加やトイレの失敗など)を引き起こす可能性がある。また、猫の自然な行動である爪とぎを妨げることにもなる。
この法案に対して、カリフォルニア州獣医師会(CVMA)は反対の立場を表明している。CVMAは、「特定の医療行為を法律で禁止することは、獣医師の裁量を制限し、危険な前例となる」と主張している。
カリフォルニア州では、すでにウェストハリウッド市をはじめとする複数の都市で抜爪手術が禁止されている。州全体での禁止が実現すれば、ニューヨーク州(2019年)、メリーランド州、マサチューセッツ州、ワシントンD.C.に続く全米で4番目の州となる。