カリフォルニア州高速鉄道公社(California High-Speed Rail Authority)とミルブレー市は、2022年に市が提起した訴訟について、2025年4月17日に和解に至った。これにより、ベイエリアにおける高速鉄道プロジェクトの重要な拠点であるミルブレー駅周辺の開発計画が前進する見通しとなった。
訴訟の争点は、既存のBARTおよびカルトレイン駅に隣接する約11,000平方フィートの土地の利用方法にあった。ミルブレー市は、同地を追加の鉄道用地ではなく住宅開発に活用すべきであると主張し、また高速鉄道計画の資金確保や建設スケジュールの不透明さにも懸念を示していた。
和解内容では、駅周辺開発に関して市と公社が連携し、市は駅の西側エリアの土地利用計画を、鉄道公社は高速鉄道駅そのものの設計および既存公共交通機関との統合を主導することとなった。歩行者、車両、その他交通手段との接続性を重視したトランジット志向型開発(TOD)が推進される予定である。
カリフォルニア高速鉄道プロジェクトは、度重なる訴訟や資金不足、コスト上昇といった困難に直面してきた。建設費は当初の400億ドルから1,350億ドルに膨らみ、これまでに約130億ドルが費やされている。ミルブレー市との和解により、サンフランシスコとサンノゼを結ぶ重要区間の進展に弾みがつくことが期待されている。
中央バレー区間では来年以降、軌道敷設工事の再開が予定されており、長期的にはカリフォルニア州主要地域を結ぶ高速鉄道ネットワークの構築を目指している。今回の和解は、その実現に向けた一歩となる。

Major Bay Area lawsuit settled, clearing way for Calif. bullet train