「トラッド・サン」現象の台頭と背景
近年、米国では実家で親と同居し、家事などを手伝いながら家賃無料で生活する若い男性を指す「トラッド・サン(Trad Son)」という造語がSNSを中心に広まっている。
言葉の由来と定義
「トラッド・サン」は、伝統的な役割を担う主婦を指す「トラッド・ワイフ」をもじった言葉である。かつての男性像(一家の稼ぎ手)とは対照的に、あえて親元に留まり、料理や掃除などの家事を分担する代わりに経済的負担を免れるライフスタイルを指す。2025年5月に米人気クイズ番組「ジェパディ!」の出場者が、自身の職業を「ステイホーム・サン(実家にいる息子)」と紹介したことがきっかけで拡散した。
カリフォルニア州ヴァレーホが全米1位に
ピュー・リサーチ・センターの調査(2023年データ)によると、米国内の主要都市圏の中で、親と同居する25歳〜34歳の割合が最も高いのはカリフォルニア州のヴァレーホ(Vallejo)であった。同市では、この年代の約33%が親と同居している。
なぜ「実家暮らし」が増えているのか
この現象には、単なる怠慢ではなく、複雑な社会経済的要因が絡んでいる。
経済的要因: 若年層(22歳〜27歳)の学位保持者にとって、現在の雇用市場はパンデミック期を除けば過去12年間で最悪の水準にある。
文化的背景: ヴァレーホに多いヒスパニック、アジア、黒人の世帯では、白人世帯よりも家族と同居する傾向が強い。
安全上の懸念: 治安悪化や移民規制(ICE)への不安から、家族を守るため、あるいは身の安全のために実家を離れない選択をするケースも報告されている。
社会的反応
SNS上では、このライフスタイルを肯定的に発信するインフルエンサーが登場する一方で、タレントのシェリー・シェパード氏が「私の家では許さない」と否定的な見解を述べるなど、賛否両論を巻き起こしている。
出典: kron4.com: What is a 'trad son' and why does this Bay Area city have a lot of them?




