1896年創業の歴史あるサンフランシスコのアンカー・ブルーイング社は、2016年以降の売上減少により、事業を停止し清算することを今朝発表した。パンデミックの影響、インフレ、競争の激しい市場などの経済的要因を考慮し、慎重に評価した結果、今回の決定となった。同社は従業員に60日前の通告を行い、移行支援と離職パッケージを提供する意向だ。アンカーブルーイングはアメリカの地ビールとして初めてアメリカンペールエールを製造販売したことでも有名。
アンカー・ブルーイング社は売り上げ減少に対する措置として最近、アンカー・ビールの販売をカリフォルニア州に限定し、アンカー・クリスマス・エールの生産を縮小するなどの対策をとっていたが事業悪化を食い止めることはできなかった。同社はすでに醸造を停止しているが、残りのビールのパッケージングと流通は7月末まで継続する。またアンカー・パブリック・タップは、2023年アンカー・クリスマス・エールの少量を含む残りの在庫を販売するため、一時的に営業を続ける。同社のスポークスマンであるサム・シンガー氏は、サンフランシスコとクラフトビール業界にとってアンカー社が重要な存在であることを認めつつも、経済的な圧力により事業が維持できなくなったと述べた。
同社は現在、連邦破産法第7章または第11章に基づく破産申請について交渉中である。アンカー・ブルーイング社は、全米初のクラフトビール醸造所として知られ、100年以上にわたって醸造業界で重要な役割を果たしてきた。
Historic Anchor Brewing Co. in San Francisco to cease operations – NBC Bay Area