カリフォルニア州の保健当局は、バレー熱(valley fever)という呼吸器疾患のリスクが増加する可能性について警告している。カリフォルニア州保健公衆衛生部がプレスリリースで発表したところによると、今年の冬の大雨が、バレー熱の原因となるコクシジオイデス菌の増加を引き起こした可能性がある。バレー熱は、真菌を含むほこりを吸い込むことによって引き起こり、呼吸器症状が重篤化したり、場合によっては致命的になることがある。大雨の期間はコクシジオイデス菌を活発化させる可能性があり、カリフォルニア大学バークレー校とカリフォルニア州保健公衆衛生部の研究によると、今年の記録的な降雨によって成長した胞子が乾燥してほこりとなって空中に舞い上がっているとみられる。
感染者のうち約6割は自然に感染を克服するが、病気になる人々は咳、発熱、呼吸困難、胸の痛みなどの症状を経験する可能性がある。バレー熱の重症症例の人々は入院が必要となり、その後は継続的な医療ケアが必要だ。「わずかな量の真菌を吸い込むだけでも感染の原因となる。カリフォルニア州保健公衆衛生部は、バレー熱の一因となる土壌やほこりへの暴露を減少させるための対策を推奨しており、バレー熱が一般的な地域を通行する際には、車の窓を閉じ、再循環エアを使用することを推奨しています」と述べている。特に真菌が多い地域の住人や、屋外で働く人や土壌が定期的にかき混ぜられる建設や農業の現場で働く人々などは、バレー熱の感染リスクが特に高いとされている。UC Davisによる研究によれば、カリフォルニアのヒスパニックとラテン系の農業労働者がこの病気に感染するリスクが高いとされており、カリフォルニア州保健公衆衛生部のデータによれば、バレー熱の症例の47%がヒスパニックとラテン系の人々に該当する。カリフォルニア州保健公衆衛生部は、ほこりの多い地域を避けることを推奨している。それが避けられない場合は、ほこりの多い地域ではN95マスクを着用し、風の強い天候や湿潤な土壌での掘削前に窓やドアを閉じ、ほこりを巻き上げるのを防ぐために土壌を湿らせることを勧告している。
Coccidioidomycosis (Valley Fever) California officials warn of increased risk for valley fever