Global Osaka Innovationの企画でシリコンバレーを訪問している大阪の起業家の中で、500 Startupsでメンターの前でビジネスプランをプレゼンテーションする機会に恵まれた四人の起業家に感想などをお伺いしました。
Locom
Kotaro Takahama
高濱康太郎さん
プレゼンの内容:高濱さんが今回シリコンバレーに持ち込んだビジネスプランは、手のジェスチャーを認識するiPhoneケースです。このケースは、赤外線センサを使用することでカメラを利用するより低消費電力で長時間利用が可能。iPhoneの前にかざした手の様々なジェスチャを読み取って、iPhoneに一切触ること無く、音楽のボリュームをコントロールしたり、その他のアプリの制御を可能とします。料理や作業中などで直接iPhoneに触れることが出来ない状況での使用を想定しています。
感想等:
今回、この製品のプレゼンをするのは日本も含めて始めでかなり緊張しました。プレゼンの運びはうまくゆき評価も高かったたのですが、緊張して英語を喋っていた様子がロボットのようだと言われてしまいました。商品の目の付け所は評価されましたが、それをどう売ってゆくかのマーケティング面が弱いとの指摘をうけました。
これまで、日本で受けたフィードバックと比べると、数字などに具体的で厳しいフィードバックでしたが、その分今後どこにフォーカスして固めていく必用があるのかがはっきり分かりました。販売した製品そのものだけでなく、多面的にその製品を販売するビジネスについて考えていくことが大切だと実感することが出来ました。
RealFace
野口寛士さん
プレゼンの内容:RealFaceは、直接知っている親しい人としかつながらないソーシャルネットワークです。親しい仲間内だけの情報交換を前提としているため、フレンドとなるものリアルに会ってスマホどうしを近づけてフレンド承認を行います。投稿時にも、聞いて欲しい相手をサムネイルを見ながらえらんで発信できるため、「このネタはこの人たちだけ」といった発信が簡単にできる新しいソーシャルネットワークです。
感想等:
これまで、このサービスのプレゼンは日本語では何度もやっているものの、英語で投資家を前にプレゼンテーションをするのは今回が始めてでした。何度もスライドを作り直し、当日の朝までプレゼンのスライドを吟味してプレゼンに臨みました。プレゼンの内容は予め下書きしたものを暗記して挑みましたが、質疑で審査員の方の質問の内容は理解できたのに、答えが十分に通じずはがゆい思いをしました。日本語でのプレゼンと比べると30%位しか伝えることが出来なかったのが悔しいです。
ただ、これまで日本でしてきたプレゼンでのフィードバックと比較して、スケールこそ大きいものの、内容的には大きく想定外の質問やコメントは無かったため、サービスの方向性については自信を持つことができました。これまで日本でも指摘されていた問題点について、同じように指摘されたため、そこを解決することが糸口になると改めて確認できました。
野口さんは現在大学の三年生でこれまで、同じ学年の仲間と三人で一年間をこのサービスにかけてきたそうです。サービスは最初から日本だけでなく世界を視野に開発を進めており、今回のシリコンバレー訪問でより強くシリコンバレーで勝負したいと感じたそうです。
Moff
高萩昭範さん
プレゼンの内容:
MoffはスマホやPCに接続して使うぬいぐるみ型の感情インターフェイスです。親子や遠隔地の恋人同士、または言語に障がいを持つ方との感情のやりとりを助けるデバイスです。ぬいぐるみを撫でる仕草や握り締める強さから、持っている人の感情を解析し、相手に伝えることで、言葉だけでは伝えられなかった気持ちを伝えることを目指しています。
感想等:
一人の人が熱狂的に指示をしてくれました。ゲーム業界の人でキャラクタービジネスについて詳しく、ゲームにも応用出来るという提案を貰うことができました。やわらかいインタフェースで何ができるのかをオープンに色々試してみるのが良いとアドバイス受けました。
日本ではピッチはやったことはなかったのですが、あまり緊張はしませんでした。予想以上にプレゼンの出だしの食いつきが良かったです。プレゼンの流れとしては、やわらかインタフェイスを通じて子供を身近に感じたい、ということを最初に話したことで、共感を得ることができたようです。
参加して良かったと思ったのは、普段会えない人と会うことができたことです。最前線で活躍するメンターの人からあのようなアドバイスを得られるというのは非常にありがたい経験でした。日本でもこうした場が広まると良いと思います。
ピッチコンテストウィナー:
Islamap
佐藤智陽さん
プレゼンの内容:Islamapは、日本にいるイスラム教の人が、ハラルと呼ばれるイスラム教で許された専用食が食べれるレストランや食材、食材を扱うお店の情報をシェアするサービスです。佐藤さんの友人が日本でハラル食を探すのに苦労していたのをきっかけに、ハラル食を提供するお店と必要とするムスリムの人をつなぐサービスとして貢献できないかと立ち上げました。
感想等:
このサービスのプレゼンを英語でするのは今回が始めてでした。英語版のプレゼンを作るにあたり、かなり改善したおかげで良いフィードバックを得ることができました。ハラールと日本のどちらをスケールアップする方向で考えるのか、広く食事規制のある人のための情報交換サイトにするのか、世界のハラール食を対象にするのか大きなスケールで考えていくことが必要とアドバイスされました。これは、日本でもすでに議論していたテーマですが、ムスリムの人たちに特化してもかなりの市場はあるという事と、アメリカではベジタリアンが多く、食事規制がある人のための情報開示は進んでいるという実情を知ることができました。両方でプレゼンしてみて、プロダクトはやはり日本からスタートしたいと思いました。そのためのフィードバックを得るためにシリコンバレーからのインプットを得られたのはとても良かったです。