2025年11月12日、Waymoがベイエリアでのサービス範囲を拡張し、サンフランシスコからサンノゼまでの高速道路区間およびサンノゼ国際空港(SJC)での運用を開始した。今回の発表は、自動運転ロボタクシーの実運用が都市中心部から高速道路・空港へと広がる重要な転換点である。
サービス拡張の概要
Waymoは公式発表において、サンフランシスコからペニンシュラを経てサンノゼまでの広域でサービスエリアを拡大したと述べている。複数の報道では、サービス範囲はおよそ260平方マイル規模とされている。
主な特徴は以下のとおりである。
- 高速道路(US-101、I-280など)での自動運転運用開始
- サンノゼ国際空港(SJC)での乗降サービス提供
- 一部選定ユーザーからの段階的な利用拡大
- 数百万マイルの高速道路走行データに基づく安全性
公式ブログでは「entire Peninsula」「from San Francisco down to San Jose」と記されており、ペニンシュラ全域を視野に入れた展開である。
対象地域と運用範囲
今回のサービス拡張は、ベイエリアの都市を縦断するペニンシュラ地域が中心である。報道によれば、Daly City、Palo Alto、Mountain View などの地域が対象となっており、Sunnyvale やサンノゼ周辺でも利用できるエリアが拡大している。
ただし現時点では、すべてのユーザーが全区間を即日利用できるわけではなく、「選定ユーザー」「選択されたルート」での段階展開となっている。
高速道路運用に関しては、US-101 と I-280 など主要路線で自動運転走行が可能になり、より高速かつ効率的な移動が実現されつつある。
サンノゼ国際空港(SJC)でのサービス開始
WaymoはSJCにおいて、カリフォルニア州で初めてとなる商用ロボタクシー空港サービスをスタートさせた。世界でもフェニックスに続き2例目である。
- 乗降可能場所:Terminal A / B の Ground Transportation Center
- 完全自動運転モードでの運用開始
- 段階的な商用展開フェーズ(2025年秋に完全自動テストを開始し、年内に商用利用へ)
なお、24時間365日運用といった具体的な時間帯は明記されておらず、初期段階では限定条件が存在する。
利用方法と対象ユーザー
Waymo One アプリでの登録により利用が可能である。高速道路区間の利用については、アプリ内で早期アクセス申請(オプトイン)が必要な仕組みが導入されている。
利用範囲は今後段階的に拡大される予定であり、ベイエリア全域での完全普及には時間を要する見込みである。
安全性と技術的背景
Waymoは、数百万マイル規模の高速道路走行実績と実地テストの積み重ねを強調している。高速道路での自動運転は速度・交通量・複雑な合流構造などの難度が高く、同社は慎重な段階展開と当局との連携を続けている。
今後の展望
Waymoはベイエリアでの高速道路運用の実績を踏まえ、将来的にはオースティンやアトランタへの拡張も視野に入れていると発表している。ベイエリアは最も複雑な交通環境の一つであり、成功すれば他都市展開への大きな推進力となる。
まとめ
Waymoの今回の拡張は、ベイエリアの移動手段を大きく変える可能性を秘めている。高速道路運用と空港サービスの開始は、従来のロボタクシーの枠を超え、日常利用の利便性を大きく引き上げるものである。ただし現時点では段階的な拡大フェーズであり、エリア・時間帯・対象ユーザーに制限が残る点には留意が必要である。
今後、実利用者の増加・空港での本格稼働・他市展開が進むことで、ベイエリアの交通インフラにおける自動運転の存在感は一層高まることが期待される。




