カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は1月9日、総額3,489億ドル(約50兆円超)にのぼる2026年度予算案を発表した。約30億ドルの赤字を抱える厳しい財政状況の中、連邦政府による補助金廃止を受けた電気自動車(EV)購入支援の再開や、教育・防災分野への重点投資が柱となっている。
EV補助金の独自復活
最大の注目点は、2億ドルの拠出によるEV購入支援プログラムの再開である。これは、トランプ政権下で廃止された最大7,500ドルの連邦税額控除を補完するもので、ニューサム知事が以前から公約していた「州独自のバックフィル(補填)」を実現する形となった。州政府はこれにより、ガソリン車からの脱却というクリーンエネルギー目標の維持を図る。
「AIバブル」への懸念と財政リスク
今回の予算案は、AI関連企業の株価上昇に伴う所得税収の急増を背景に作成されている。州予算の約4%が上位12社のテック企業からの税収で占められるなど、特定分野への依存度が極めて高い。 州の予算責任者は、現在の増収を「AI熱狂による一時的なもの」と分析。「AIバブル」が崩壊した場合、財政が急速に悪化するリスクがあるとして、慎重な財政運営を求めている。
主要分野への投資
教育・育児: 140億ドル規模の投資を継続し、4歳児向けの移行期幼稚園(TK)の無償化や、1日2回の学校給食無償提供を維持する。
医療(Medi-Cal): 連邦予算の削減分を補うため、低所得者向け医療保険「メディカル」に11億ドルを追加投入する。
森林火災対策: 昨年の甚大な被害を受け、火災予防や住宅の防波堤強化、森林再生プロジェクトに計3億1,400万ドルを計上した。
予算案は今後、州議会での審議を経て5月に修正版(メイ・リビジョン)が提出される予定である。




