2022年、ポートランド公立学校(PPS)のグラント高校で司書のペイジ・バトルは、作家アンソニー・ドーアがPPSの高校1校を訪れ、OPBの番組「シンク・アウト・ラウド」で新刊「クラウド・クックー・ランド」について語る企画に合わせ、同校が訪問先に選ばれるよう動いた。対象校となる条件として授業でドーア作品を扱う必要があったため、バトルは昼休みに生徒を集め、ドミノ・ピザを囲んで読書会を開いた。同年11月、生徒はグラント高校の図書館で、ドーアがOPBのデイブ・ミラーと対談する様子を聴いたという。
バトルは、著名作家の作品を読むだけでなく、作家が生で語る場に触れることが読書を「もう一歩先へ」進め、卒業後も文学への関心を育む助けになると話す。また、読書は学業のためだけでなく楽しみとして続けてほしいとし、「ここを出た後、それが生活の一部になるようにしたい」と述べた。
一方、PPSは2年前に約3000万ドルの予算不足に直面し、地区全体のプログラム廃止を避けるため学校図書館の職員ポストを削減した。PPSのメディア関係責任者バレリー・フェダーは、2024年の予算削減で図書館の人員配置に影響が出て一部の学校で開館時間が減った一方、認定を受けた「ティーチャー・ライブラリアン」を維持する判断をしたと述べている。現在は各校の図書館に少なくとも勤務時間の半分を担う認定ティーチャー・ライブラリアンが配置され、図書館運営に加え、読書や調査に基づくカリキュラム作成も担うとされる。
記事によると、PPSは図書館資源の面で州内でも比較的整った学区だが、図書館の開館時間が限られ、生徒と接する機会が減ったことが司書の仕事の特徴になっているという。バトルらは資源が減る中でも生徒の体験を損なわないとして、読書クラブを立ち上げたり継続したりし、ときにドーアのような著名作家と生徒が接する機会も作っているとしている。
司書のメリッサ・ブラウントは過去2年間、ジョージ中学校とローズウェイ・ハイツ中学校の2校を兼務し、合計約900人の生徒を担当している。ブラウントはジョージ中学校の「オレゴン・バトル・オブ・ザ・ブックス(OBOB)」チームの運営も担い、学年区分ごとに16冊の課題図書から出題されるクイズに、4~5人のチームで挑む活動を支える。ジョージ中学校はPPSのタイトルI指定の中学校7校の一つで、生徒の66%が経済的に恵まれないとされ、保護者ボランティアを得にくいという。ブラウントは、マルトノマ郡の放課後ケアプログラム「SUNスクールズ」と、移民・難民コミュニティ組織(IRCO)の支援を受け、年次登録料の負担や施設使用許可などの事務面で助けられていると述べ、IRCOの職員は英語のみの読書プログラムで生じる言語・文化の障壁に対応する専門性があるとも話した。マクダニエル高校のティーチャー・ライブラリアン、ナンシー・サリバンは、2024年に図書館助手と教科書係の職が削減され、3つの業務を担っていると述べている。サリバンは昼休みの読書クラブ「ライブラリー・リーダーズ・アンド・シンカーズ(通称ライブラリーRATs)」のため、必要な数十冊分の本をガレージセールや中古書店で集め、2015年に始めた同クラブを助成金や地域の寄付で運営してきたという。グラント高校ではバトルの読書会が継続し、「クォータリー・ブック・スタディ」として学年中に4冊を読む形になり、2024年にはマルトノマ郡図書館の「エブリバディ・リーズ」やリテラリー・アーツの仕組みを活用し、書籍提供や講演チケットの支援を受けたと記事は伝えている。
出典: wweek.com: Portland’s Public School Librarians Are Getting Scrappy

