2025年7月1日付で、カリフォルニア州が自動更新契約について新たな強化策「Click to Cancel」法を施行する。これは州の自動更新法(California Automatic Renewal Law:CARL)を改正し、サブスクリプション契約の解約手続きを「加入と同程度に容易にする」ことを義務付けるものである(Assembly Bill 2863)
主な改正点
■ オンライン加入者に対する「クリックで解約」手段の義務化
オンラインで加入した契約は、同様にオンラインで“即時かつ単一操作”で解約できる仕組みが必要である。複数の画面遷移やアンケートの強制は禁止される。
■ 解約管路は加入手段に準じて
消費者が電話、メール、郵送などで加入した場合は、同じ手段で解約できなければならない
■ 年次通知制度の導入
自動更新が1年以内であっても、年に1回、更新の意思を確認する通知(更新日、金額、解約方法を含む)を送ることが義務となる。
■ 明確で目立つ事前通知と明示的同意
契約時に、以下内容を明らかにし、加入者から「自動更新に同意する」旨の明示的なチェックボックス等を通じた同意を得る必要がある:
- 自動更新される旨
- 更新期間および料金
- 解約方法
さらに、通帳登録前にこれらを明示し、3年間に渡って同意記録を保持しなければならない。
■ 虚偽表示の禁止
自動更新契約について、重要事項(料金、期間、解約方法など)を隠す、あるいは誤認させる表現を用いることが禁止される。
適用範囲と罰則
- 適用対象はBtoC(消費者向けサービス)での自動更新契約全般(SaaS、メディア、通販など)。法人向け契約には適用されない。
- 違反には州検察やカリフォルニア司法長官だけでなく、消費者による訴訟も可能。違反1件ごとに最大2,500ドルの民事罰が科され得る。
背景と他州・連邦との整合性
この改正は、2024年10月にFTC(米連邦取引委員会)が発表した「Click to Cancel」連邦ルールとほぼ歩調を合わせている。FTCルールでは、2025年7月14日以降は全米で同様のオンライン・オフラインでの解約容易化が義務化され、企業は州法・連邦法双方に対応する必要がある状況にある。
企業に求められる対応
- サイト・アプリの解約フローを、加入時と同様に簡素で即時可能な構成に変更
- 契約前の明確な情報開示とチェックボックスによる個別同意
- 年次更新通知のシステム整備
- 解約時の割引提示制度のUI改修
- 同意記録を最低3年保存
- 担当部署間の連携(法務・IT・マーケ・CS)と手順書更新
まとめ
2025年7月1日より施行されるカリフォルニア州の「Click to Cancel」法は、消費者がオンライン・オフライン契約を「加入と同様に簡単に解約できる」仕組みの提供を企業に義務付けるものである。FTC連邦ルールとも重なり、サブスクリプションビジネスに携わる企業は、UI/UXの抜本的見直しだけでなく、通知・同意の記録管理体制や法務連携も含めた対応が急務である。
