自動運転トラクターや農業用ロボットといった先端技術が全米の農地で急速に導入されるなか、その多くを開発してきたカリフォルニア州では、州規制により農家がこれらの技術を使用できない状況が続いている。1970年代に制定された労働安全規則では、農機具の操作には人間が常駐する必要があると定められており、それが現在の技術の導入を妨げる結果となっている。
ワトソンビルで6つの農場を運営するラリー・ジェイコブス氏は、労働力不足が深刻な中で無人機械の導入は不可欠であると訴え、「意味が分からない」と州の姿勢に不満を示す。米国労働統計局によると、今後10年間で毎年約88,000件の農業職が未充足になる見込みであり、農業従事者の高齢化も進行している。
先進的な農業機器メーカーであるジョン・ディア社は、20年以上にわたって無人技術の研究を進めており、既に11州で自動運転トラクターの利用が始まっているが、カリフォルニア州では販売を保留している。同社の担当者は、法的明確性が整うまで製品の投入は見送ると説明する。
2022年には、電動・自律運転対応トラクターを開発するMonarch Tractor社が州規則の改定を申請したが、安全性を理由に否決された。その一方で、同年には自動運転車の営業運行が州内で正式に許可されており、農業用ロボットとの取り扱いの差異に農家の不満が高まっている。
カリフォルニア州の労働安全衛生局(Cal/OSHA)は、従業員が立ち入らない農地での無人農機使用については、現行法の違反には当たらない可能性があるとする内部メモを残しているものの、現場での運用においては依然として法的な不確実性が残る。これに対し、州議会議員のフアン・アラニス氏は、規制の見直しに向けた法案の提出を検討している。
ジェイコブス氏は「立法府は今こそ時代に合わせた法整備を進めるべき」と訴え、収穫されないまま放置される作物が増えている現状を指摘した。
Farmers fuming over CA’s ban on driverless tractors, other robots – NBC Bay Area
