初見殺し、シリコンバレーで見かける「謎に複雑な信号機」の正体

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サンタクララカウンティ周辺を車で走っていると、普通の赤青黄の信号とは明らかに違う、少し戸惑う信号機を見かけることがあります。
赤いランプが2つ横並びになり、その下に黄色のランプが1つ。中央には「CROSSWALK」「STOP ON RED」「STOP ON FLASHING RED THEN PROCEED IF CLEAR」と書かれた説明板。

一瞬で読み取るには情報量が多く、「これは止まるのか? 進んでいいのか?」と迷った経験がある人も多いはずです。

この信号の正体は、Pedestrian Hybrid Beacon。通称 HAWK信号 と呼ばれる、横断歩道専用の信号システムです。

なぜこの信号が作られたのか

HAWK信号は1990年代にアメリカで開発されました。背景にあったのは、「横断歩道の安全性を高めたいが、通常の信号機を設置すると交通の流れが悪くなる」という現実的な課題です。

そこで考えられたのが、
歩行者がいるときだけ車を止める信号

普段は消灯しており、歩行者がボタンを押したときだけ作動することで、事故を減らしつつ無駄な信号待ちを増やさない。その折衷案として生まれたのがこのハイブリッド信号です。

赤が2つ並んでいる理由

写真を見ると、赤い信号が2つ横に並んでいます。これは単なるデザインではありません。

この2灯式の赤信号は、
「停止」を強く、直感的に伝えるための仕掛けです。

高速道路の警告灯や踏切の信号と同じ発想で、通常の交差点用信号よりも目立たせ、「これは特別な信号だ」と瞬時に認識させる目的があります。

HAWK信号では、法的に意味を持つ赤は必ずこの2灯セットで扱われます。

各ランプの意味はとてもシンプル

見た目は複雑ですが、意味は驚くほど単純です。

赤が点灯しているときは、完全停止。
通常の赤信号と同じ扱いで、歩行者が横断中です。

赤が点滅しているときは、一時停止。
STOPサインと同じで、一旦止まり、横断歩道に人がいなければ進んで構いません。

黄色は、状態が変わる予告です。
歩行者がボタンを押した直後などに点灯し、「これから赤になる」という注意喚起の役割を果たします。

そして、何も点いていない状態が通常走行です。
青信号が存在しないのが、この信号の最大の特徴でもあります。

要するに、この信号は「進め」を指示するものではなく、「止まる必要があるかどうか」だけを伝える装置なのです。

赤が1つだけ点いて見えるのはなぜか

写真や実際の運転中に、赤が片方だけ点灯しているように見えることがあります。
これは信号の切り替え途中や、赤点滅(交互点滅)の一瞬を見ているためです。

HAWK信号に「赤1灯だけで進行可」という状態は存在しません。
赤が関与しているときの判断は常に STOP。この設計も、安全側に倒すための工夫です。

なぜシリコンバレーでよく見かけるのか

この信号がシリコンバレー周辺に多いのは、地域特性とよく合っているからです。

幹線道路沿いに学校やトレイルがあり、車・自転車・歩行者が混在している。
新しい交通設計や実証実験を受け入れやすい文化がある。
そして、効率と合理性を重視する土地柄。

完全な信号機と、信号のない横断歩道の中間に位置するこの仕組みは、この地域にとても相性が良いのです。

まとめ

この「赤が2つある信号機」は、決して意地悪な存在ではありません。

点灯は停止。
点滅は一時停止。
黄色は状態が変わる予告。
進行は、何も点いていないときが基本。

そう理解してしまえば、迷うことはなくなります。

合理的で安全性も高いけれど、初見では分かりにくい。
この信号は、そんなシリコンバレーらしさを象徴するインフラの一つと言えるかもしれません。

次にこの信号を見かけたときは、「ああ、歩行者がいるときだけ起きるやつだな」と思い出してみてください。

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