ホームレス問題、全国動向把握に遅れ 連邦調査報告書が異例の未発表、政策立案への影響懸念

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連邦政府が毎年実施するホームレス人口調査「ポイントインタイム」の全国報告書が、例年12月の公表から5月時点でも未発表となっている。この報告書は、地方政府がホームレス対策の資金配分を決定し、進捗を測る上で重要な基準となる。5か月にわたる異例の遅延は、公務員や政策立案者、支援団体を困惑させている。住宅都市開発省(HUD)はコメントを拒否している。

加州の独自データとその限界
報告書が公表されない中、カリフォルニア州は独自にデータを集計し、路上で生活する人々の数が9%減少したことを示している。しかし、この州独自の分析には、対象者の人種、年齢、精神衛生状態などの詳細情報が含まれておらず、他の州との比較もできない。国民ホームレス法センターの報道官ジェシー・ラビノウィッツ氏は、COVID-19で遅延した年を含め、これほど遅れたことはないと述べた。ギャビン・ニューサム知事の広報担当タラ・ガレゴス氏は、トランプ政権がカリフォルニア州の対策が非常に効果的であることを示す明確なデータを公表することを恐れている可能性があるとCalMattersに声明で述べた。

調査の仕組みと異例の遅延
「ポイントインタイム」調査は過去20年間、HUDが地方自治体に対し隔年で実施を義務付けている大規模な調査である。ボランティアが1月の一両日中に路上で生活する人々を数え、シェルター利用者も集計する。また、対象者の一部を対象に人種、年齢、性別、ホームレス期間、医療・精神衛生状態などの詳細な聞き取り調査も行う。各管轄区域(HUD用語で「ケアの継続体」)は春までにデータをHUDに提出し、通常は当該年の12月にHUDが全国報告書を公表する。COVID-19により調査が中断された2020年と2021年の報告書は、それぞれ翌年2月と3月に公表された。2025年の報告書が公表されていない理由は不明である。

加州戦略と連邦との対立
カリフォルニア州のデータは、2024年から2025年にかけてホームレス全体が4%減少し、テント、歩道、車内などで生活する人々が9%減少したことを示している。これは、同州の「ハウジングファースト」戦略が機能し始めている可能性を示唆する。同戦略は、まず住宅を提供し、その後精神衛生や薬物使用に関する支援を行うことを優先する。一方、ドナルド・トランプ大統領の政権は「ハウジングファースト」戦略が機能していないとし、薬物治療プログラムなどに登録するまで住宅を保留すべきだと主張している。カリフォルニア州は連邦資金のほとんどを恒久住宅に充てており、トランプ政権がこの資金を一時的なシェルターに転用しようとしたことに対し、カリフォルニア州を含む19州が提訴している。この訴訟は係争中だが、連邦判事によりトランプ政権の変更は一時的に阻止されている。

全国的な動向と今後の展望
2024年の時点で、全米のホームレス人口の約4分の1にあたる18万7000人以上がカリフォルニア州に居住していたため、同州での減少は全国のホームレス人口に大きな影響を与える可能性がある。ニューヨーク・タイムズ紙の調査によると、昨年はシカゴ、デンバー、ワシントンD.C.、ミネソタ州、フロリダ州、メイン州など、全国の他の地域でもホームレスが減少しており、全国的な減少を示唆している。もし2025年に全国的にホームレスが減少すれば、それは8年ぶりのこととなる。2024年の全国のホームレス人口は77万1480人であり、前年比で18%増加していた。

出典: calmatters.org: Where does California rank in homelessness? The federal report that could tell us has been delayed for months

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