ユナイテッド、保護者から預かった10才女児を乗り換え空港に置き去り

(記事、訳:美人秘書)

6月から8月半ばまでと長い夏休み。
アメリカでは多くの子供たちはサマーキャンプに参加します。
キャンプと言っても様々で、地元のコミュニティや私立の学校が開催するお手軽日帰りのコース、何泊か泊りがけで出かけるコースなどあります。
内容も、単なるお遊びのものから、各種スポーツ、サイエンスやアートなど好きな事を集中して学べるアカデミックなものまで多種多様。

Annie と Perry夫妻は10歳の娘Phoebe(フィービー)をミシガンで行われる2週間のサマーキャンプに参加させるために、娘をサンフランシスコ空港に送り届けました。
乗り継ぎもあるのでもちろん単独ではなく、航空会社ユナイテッドが行なっている「付き添いがいない未成年者向けサービス」を申し込み、経由するシカゴの空港では現地の係員がきちんと娘をミシガン行きの飛行機に乗せてくれるものと思って安心していました。

しかし、親子のその信頼は裏切られ悪夢を見る結果となったのです。

以下は夫妻がユナイテッド航空に宛てて書いた手紙から悪夢の内容を要約したものです。

2012年6月30日、娘と一緒にサンフランシスコ空港に行った夫妻は、「ユナイテッドのバッジを付けた職員がお子様に常に同行します」と言うユナイテッド航空の担当者に娘を託し飛行機を見送りました。
そしてその後はずっとオンラインでフライト状況をトラッキングし、飛行機が定刻でミシガンに到着したのでキャンプの担当者から娘の到着の電話が来るのを待っていました。
しかし、かかってきた電話は娘が飛行機に乗っていなかったという内容でした。

その後すぐに妻がユナイテッド航空に電話をして、20分後にやっと繋がったのはインドにあるカスタマーサービス
何も把握できてない、確信できてない状況で「問題ない」「娘さんは無事です」と繰り返すオペレーターでは拉致があかないので(その間も確認で10分異常保留にされる)
上司を呼ぶように頼んでまた待つこと40分。

ユナイテッドのプレミアクラブメンバーだった夫は同時にプレミアメンバー専用ダイヤルに電話をかけました。
そちらは米国内のカスタマーサービスに繋がり、フィービーが乗継便に乗っていないことの確認はできたけれども、その後の対処はしてもらえずまた保留。
そしてやっと返って来た答えに夫妻は驚愕します。
それは「ユナイテッドが行なっている未成年向け同行サービスは外部に委託して行なっている業務で、どうやらシカゴ空港でその担当者が来なかったらしい」
というものでした。
なんとかして欲しいと懇願する夫に、「こちらでできることはありません」と答えるオペレーター

夫は「あなたは子供がいますか?その子供が行方不明だったらどうしますか?」と尋ねました。
子供を持つその女性オペレーターは「分かりました。力を尽くしてみます」
と言って、15分後、娘がシカゴにいることを確認してくれました。

その時点で、キャンプから娘が到着していないと連絡を受けてから1時間、フィービーがシカゴに一人置き去りにされてから2時間が経過していました。
フィービーがシカゴで飛行機を降りて「キャンプに行くための飛行機に乗らなくてはいけない」と助けを求めた時にも、電話を貸して欲しいと3回も頼んだ時にも、職員は忙しくて誰も手を貸してくれなかったそうです。
10歳の少女はどんなにか心細かったことでしょう。

しかしそれだけでは終わりませんでした。

結局フィービーはなんとか4時間後にシカゴを出発し、夜遅くキャンプのスタッフが空港までフィービーを迎えに行ってくれたのですが、
今度は彼女の荷物が届いていませんでした。
また、カスタマーサービスとなかなか埒が明かない電話をした挙句、
結局その日は荷物が見つからず、フィービーは着替えもシーツも持たないままキャンプに参加することになりました。

翌朝、またカスタマーサービス(インド)に電話をしても何も解決しないので、夫がまたプレミアメンバー専用ダイアルに電話をし女性オペレーターに、100°Fを超える暑さの中、着替えも水着もなく過ごしている(キャンプ地の近くにはお店もない)娘を心配する親心を訴えた所、
そのオペレーターがシカゴにある遺失物のバッグがフィービーのものではないかと突き止めてくれました。
詳細を聞くと確かに彼女のバッグだったので、すぐに次のフライトでミシガンに輸送してもらうことになり、キャンプスタッフに空港まで引取りに行ってもらったのですが…バッグは届いていませんでした。
同じプロセスを繰り返し、90分後に今度こそバッグを次のフライトに乗せてもらえると確認し、キャンプスタッフにはまた空港まで行ってもらったにもかかわらず…バッグは届きませんでした。
それはその日最後のフライトでした。
フィービーはこの夜も寝具も着替えもなくベッドに着くことになりました。

3日目の朝、同じプロセスをまたも繰り返し、今度はミシガンに確実に荷物が到着してからキャンプスタッフに空港に向かってもらうために、
ミシガンの空港の手荷物係の電話番号を教えてもらい、荷物はやっとミシガンに到着し、それがフィービーの手に渡ったのは午後2時でした。

悪夢は終わりません。
10歳の娘を空港に置き去りにされて何の連絡もなく、荷物が3日間行方不明でも、ユナイテッドはきちんとクレームを受け付けてくれる体制が整っていないのです。

夫妻は40年に渡りユナイテッド航空を利用し、プレミアメンバーでもありました。
しかしこれまでこんな最悪なカスタマーサービスを経験したことはありませんでした。

娘も荷物も行方知れずで電話をかけ続けた18時間、その親心。
子供の命を危険に晒し、きちんとした対応も行えない事を
サービスを提供する航空会社としてどう考えていますか?

夫妻はユナイテッドにこうした内容の手紙を書きましたが6週間たっても何の返答もありませんでした。
そこで地元NBCテレビのレポーターにこの事実を話しました。
顧客のクレームは無視していてもテレビで自社の悪評を流されることは無視できない航空会社は、やっと夫妻にお詫びの電話をしたようです。

Now she “never wants to fly United again”.
フィービーちゃんは二度とユナイテッドを利用したくないそうです。

他の人はこのニュースを忘れてユナイテッドを利用することもあるでしょうが、彼女とそのご家族だけは一生忘れず、顧客として戻ってくることはないかもしれないですね。

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